借地権・底地権とは何か?
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借地権・底地権とは何か?売却・活用・解決方法を徹底解説【2026年版】
相続・売却・地代トラブルまで対応
この記事の目次
- 借地権と底地権——そもそも何が違うのか
- 借地権の種類(旧法・普通借地権・定期借地権)
- 借地権の売却方法——借地人側の対処法
- 底地の売却方法——地主側の対処法
- 借地権と底地を同時に解決する「合意解除・等価交換」
- 借地権・底地にまつわるよくあるトラブル
- よくある疑問Q&A
- まとめ・無料相談のご案内
01借地権と底地権——そもそも何が違うのか
一つの土地に対して「借地権」と「底地権」という2つの権利が重なって存在するのが借地・底地の関係です。
借地人(土地を借りている人)
土地を使う権利を持つ
毎月・毎年 地代を支払う
地主(土地の所有者)
土地の所有権を持つ
地代収入を受け取る
借地権+底地権=完全所有権の土地として自由に売却・活用できる
借地権とは、建物を建てるために他人の土地を借りる権利のことです。借地人は地主に地代を払うことで土地を利用できます。底地権とは、借地権が設定された土地の所有権のことです。地主は土地を持ちながらも、借地権者の権利があるため土地を自由に使えない状態です。
🏠 借地権者(借地人)
● 土地の上に建物を持てる
● 契約期間中は強力な居住権がある
● 毎月・毎年の地代支払い義務
● 土地は自分のものではない
● 売却・建替えに地主の承諾が必要
🌍 底地権者(地主)
● 地代収入を継続的に得られる
● 土地の所有権を持っている
● 土地を自由に使えない
● 地代が低くても簡単に上げられない
● 売却しても地代が低く評価が下がる
💡 借地権割合とは
借地権の価値は「借地権割合」という割合で表されます。国税庁の路線価図に記載されており、東京の都心部では60〜70%、地方では30〜40%程度が多いです。例えば土地の評価額が3,000万円・借地権割合が60%の場合、借地権の価値は約1,800万円・底地の価値は約1,200万円となります。ただし市場での売却価格はこれより低くなることが多いです。
02借地権の種類(旧法・普通借地権・定期借地権)
借地権には大きく3種類があり、契約時期・契約内容によって権利の強さ・売却のしやすさが大きく異なります。
| 種類 | 根拠法 | 存続期間 | 更新 | 借地人の権利の強さ |
|---|---|---|---|---|
| 旧法借地権 | 旧借地法(1992年以前の契約) | 堅固建物:60年、非堅固建物:30年 | ほぼ自動更新(強力) | 非常に強い |
| 普通借地権 | 借地借家法(1992年以降) | 最低30年 | 更新可能(強い) | 強い |
| 定期借地権 | 借地借家法(1992年以降) | 50年以上(更新なし) | 更新なし・期間満了で終了 | 弱い(期間限定) |
旧法借地権——最も権利が強く売却しやすい
1992年以前に締結された「旧借地法」に基づく借地権です。借地人の権利が非常に強く保護されており、地主が更新を拒絶することはほぼできません。東京の下町・城東エリア(葛飾区・江戸川区・足立区・墨田区など)には旧法借地権の物件が多く残っています。権利が強い分、借地権市場でも比較的売却しやすいです。
定期借地権——期間満了で土地を返す必要がある
1992年以降に導入された制度で、契約期間満了後は更新なく土地を返還する必要があります。残存期間が短くなるほど評価が下がるため、売却のタイミングが重要です。
⚠️ 自分の借地権がどの種類か確認する
まず手元にある土地賃貸借契約書を確認してください。契約日・契約期間・更新条件によって自分の借地権の種類が分かります。契約書が見当たらない場合は、登記事項証明書や地主への確認が必要です。種類によって対処法が大きく変わります。
03借地権の売却方法——借地人側の対処法
「借地権を売りたい」と思っても、通常の不動産売却とは異なる手続きが必要です。借地人側の主な選択肢を整理します。
地主の承諾を得て第三者に売却(最も一般的)
借地権を第三者に売却する際は原則として地主の承諾が必要です。承諾を得た上で一般市場で売却する方法が最も高値での売却が期待できます。地主への承諾料(借地権価格の10%程度が目安)の支払いが必要なことが多いです。
✅ メリット:市場で最も高い価格での売却が可能
⚠ 条件:地主の承諾と承諾料の支払いが必要
地主に買い取ってもらう
地主に借地権を買い取ってもらう方法。地主にとっても借地権を取得することで完全所有権の土地になるため交渉が成立するケースがあります。価格交渉は必要ですが、第三者への売却より手続きがシンプルです。
✅ メリット:手続きがシンプル・地主との関係が解消できる
⚠ 条件:地主が買い取る意思・資力があること
裁判所の許可(地主が承諾しない場合)
地主が正当な理由なく借地権の売却を承諾しない場合、裁判所に「借地権譲渡の許可」を申立てることができます(借地借家法19条)。裁判所が地主の承諾に代わる許可を出すことで、地主の承諾がなくても借地権を売却できます。
✅ メリット:地主が頑なに拒否しても解決できる
⚠ 条件:弁護士への依頼・時間と費用がかかる
借地権専門の買取業者に売却
借地権・底地専門の買取業者に売却する方法。価格は市場価格より低くなりますが、地主との交渉・手続きを業者が代行してくれることが多く、スピーディーに解決できます。地主との関係が難しい場合や急いで手放したい場合に有効です。
✅ メリット:手続きが早い・地主との交渉を任せられる
⚠ 注意:市場価格より低くなることが多い
💡 借地権売却時に必要な主な費用
- 承諾料(名義書換料):借地権価格の10%程度が目安(地主・慣習による)
- 仲介手数料:売却価格の3%+6万円+消費税(上限)
- 譲渡所得税:売却益に対して課税(所有期間により税率が変わる)
04底地の売却方法——地主側の対処法
「底地を売りたい」という地主側の悩みも多いです。借地権が設定されたままの底地は自由に使えないため評価が低く、通常の土地より大幅に安くなります。
借地人に底地を買い取ってもらう(最も有利)
借地人に底地を売却し、完全所有権の土地にしてもらう方法。借地人にとっても土地の所有権を得られる大きなメリットがあるため交渉が成立しやすいです。最も高い価格で底地を売却できる可能性が高い方法です。
✅ メリット:最高値での売却が可能・借地関係がすっきり解消できる
⚠ 条件:借地人が購入する意思・資力があること
底地専門の買取業者に売却
底地・借地権専門の買取業者に売却する方法。価格は路線価の10〜20%程度(更地価格の10〜20%)になることが多く市場価格より大幅に低くなりますが、確実かつ早期に手放せます。地代管理・借地人との関係から解放されたい場合に有効です。
✅ メリット:確実に手放せる・地代管理から解放される
⚠ 注意:価格が更地価格の10〜20%程度と非常に低くなる
第三者の投資家・不動産会社に売却
底地を地代収入目的の投資家や不動産会社に売却する方法。底地の価格は地代利回りをもとに計算されるため、地代が低いほど評価も低くなります。専門の買取業者と価格はほぼ同程度になることが多いです。
✅ メリット:一定の選択肢を持てる
⚠ 注意:地代が低い場合は評価も低くなる
⚠️ 底地の市場価格が低くなる理由
底地は土地の所有権があっても借地人がいる間は自由に使えません。そのため購入者にとっての価値は「地代収入」だけになります。地代収入をもとに計算した利回り価格(収益還元法)が底地の市場価格となるため、一般的に更地価格の10〜20%程度になることが多いです。底地を高く売るためには「借地人との交渉による借地権の解消」が最も有効です。
05借地権と底地を同時に解決する「合意解除・等価交換」
借地権・底地の問題を最も有利に解決できるのが、地主と借地人が協力して行う「合意解除」または「等価交換」です。
合意解除(借地契約の解消)
地主と借地人が協議の上で借地契約を解除する方法です。地主が借地人に「立退き料(解決金)」を支払うことで借地人が土地を返還します。土地が完全所有権に戻るため、地主は高値での売却・活用が可能になります。立退き料の相場は借地権価格の30〜100%程度と幅がありますが、専門家を交えた交渉で合意点を探ります。
等価交換(借地権と底地の交換)
借地権と底地を割合に応じて交換し、それぞれが完全所有権の一部を取得する方法です。例えば借地権割合60%・底地40%の場合、土地を分筆して借地人が60%部分の完全所有権を・地主が40%部分の完全所有権を取得します。等価交換後はそれぞれが完全所有権の土地として自由に売却・活用できます。
✅ 等価交換・合意解除が最もWin-Winになる
借地権と底地を別々に売却すると、双方とも安値での売却になりがちです。地主と借地人が協力して完全所有権を取り戻すことで、土地全体の価値を最大化できます。「お互いに損をしない解決」を目指すためには早めに不動産の専門家を仲介役にした協議が有効です。
06借地権・底地にまつわるよくあるトラブル
借地権・底地の関係では様々なトラブルが生じやすいです。代表的なケースと対処法を整理します。
地代の滞納・値上げ交渉のトラブル
借地人が地代を滞納する・地主が地代の値上げを求めてトラブルになるケースがあります。地代の値上げは「地価の上昇・近隣の相場変動・公租公課の増加」などの正当な理由がある場合に請求できますが、借地人が拒否した場合は調停・訴訟による解決が必要になります。
建替え・増改築の承諾トラブル
借地人が老朽化した建物を建て替えたい場合、地主の承諾が必要です。地主が正当な理由なく拒否する場合は裁判所に「増改築の許可」を申立てることができます(借地借家法17条)。承諾料(借地権価格の5〜10%程度が目安)の支払いで合意するケースも多いです。
相続による地主・借地人の変更
地主や借地人が亡くなった場合、その権利は相続人に引き継がれます。地主が変わっても借地権は継続します。ただし相続後に初めて対話する当事者同士でトラブルになることがあるため、相続発生後は早めに専門家を交えた確認・協議が重要です。
- 借地契約書が見つからない・契約内容が不明確になっている
- 口頭での契約のみで書面がない(旧法借地は口頭でも有効だが、後でトラブルになりやすい)
- 地主が法人→個人・個人→法人に変わり連絡先が分からなくなった
- 契約期間が満了しているが更新手続きをしていない(自動更新されていることが多い)
07よくある疑問Q&A
親から借地の家を相続しました。地主への地代は引き続き払わなければなりませんか?
はい、借地権は相続の対象となり、相続人が引き続き地代を支払う義務を負います。相続後は速やかに地主に相続の事実を通知し、契約の継続・地代の支払い方法を確認することをおすすめします。相続に伴う名義変更の手数料(承諾料)を地主から求められることがありますが、相続の場合は第三者への譲渡と異なり承諾料は不要とされることが多いです。
借地の家を売りたいのですが、地主が承諾してくれません。どうすればいいですか?
地主が正当な理由なく借地権の売却を拒否する場合、裁判所に「借地権譲渡の許可」を申立てることができます(借地借家法19条)。裁判所が地主の承諾に代わる許可を出すことで売却できます。まずは不動産会社・弁護士を交えて地主と交渉し、承諾料(借地権価格の10%程度)の提示で解決できるケースも多いです。
底地を相続しましたが、地代が安くて管理も大変です。どうすればいいですか?
底地の最も有効な解決策は「借地人との交渉による解消」です。借地人に底地を買い取ってもらう・借地権と等価交換して完全所有権に戻す・合意解除して立退き料を支払い土地を取り戻すなどの方法があります。交渉が難しい場合は底地専門の買取業者への売却も選択肢ですが、価格は更地価格の10〜20%程度になることが多いです。まずは不動産の専門家に相談することをおすすめします。
借地権付きの物件を購入することを検討しています。注意点はありますか?
主な注意点は、①借地権の種類(旧法・普通・定期)と残存期間の確認②地代の額・更改のタイミング・値上げの実績③建替え・増改築時の承諾料の慣行④地主との関係性・地主が法人か個人か⑤銀行の住宅ローンが借地権物件に対して融資できるかの確認、です。借地権付き物件は完全所有権物件より安く購入できますが、将来的な売却・建替え時に制約があります。購入前に専門家に確認することをおすすめします。
借地権は住宅ローンを使って購入できますか?
借地権付き建物にも住宅ローンを利用できる金融機関はあります。ただし完全所有権の物件と比べて融資してくれる金融機関が限られます。また地主の「承諾書」(抵当権設定・競売時に優先的に土地を買い取る旨の承諾)が必要になる場合があります。購入前に金融機関への事前確認をおすすめします。
08まとめ
借地権・底地——解決のための3つのポイント
- まず自分の借地権の種類(旧法・普通・定期)と契約内容を確認する——種類によって権利の強さ・売却の方法が大きく変わる
- 借地権の売却は「地主の承諾」が原則必要——承諾料の交渉・裁判所の許可申立てなど専門家を交えた交渉が有効
- 地主・借地人が協力する「等価交換・合意解除」が最もWin-Winの解決策——双方にとって土地の価値を最大化できる
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