用途地域と建築制限
📝 不動産知識 / 用途地域・建築制限ガイド
用途地域と建築制限を分かりやすく解説【2026年版】
葛飾区・江戸川区・足立区・墨田区エリア対応
この記事の目次
- 用途地域とは何か——なぜ重要なのか
- 13種類の用途地域を分かりやすく解説
- 建ぺい率・容積率——何が建てられるかを決める数字
- 葛飾区・江戸川区・足立区・墨田区の主な用途地域
- 再建築不可とは——接道義務と43条ただし書き
- 用途地域が購入・売却に与える影響
- よくある疑問Q&A
- まとめ・無料相談のご案内
01用途地域とは何か——なぜ重要なのか
用途地域とは、「この土地にはどんな建物を建てていいか」を都市計画法で定めたルールです。日本全国の都市計画区域内の土地は、全て何らかの用途地域に指定されています。
用途地域が重要な理由は、現在の環境が今後も保たれるかどうかに直結するからです。たとえば「静かな住宅街」として購入した土地でも、用途地域が「近隣商業地域」なら隣に飲食店・パチンコ店・大型マンションが建つ可能性があります。逆に「第一種低層住居専用地域」なら高い建物は建てられないため、日当たりや静かな環境が守られます。
💡 用途地域は自分で確認できる
用途地域は各自治体の都市計画図やWebサイトで確認できます。不動産の重要事項説明書にも必ず記載されています。「この土地の用途地域は何か?」を購入前に必ず確認することが重要です。確認方法は各区の都市計画課またはオンラインの都市計画地図で確認できます。
0213種類の用途地域を分かりやすく解説
用途地域は全部で13種類あります。住居系・商業系・工業系の3グループに分けて理解すると覚えやすいです。
住居系(8種類)——主に住宅を守るための地域
第一種低層住居専用地域
低層住宅(2〜3階建て)のみを許可する最も厳しい規制のエリア。静かな住宅環境が最も守られる。
✅ 建てられる:戸建て住宅・低層マンション・小規模な店舗(50㎡以下)
❌ 建てられない:コンビニ・飲食店・大型マンション・事務所
第二種低層住居専用地域
第一種より少し緩い。150㎡以下の店舗(飲食店・コンビニなど)が建てられる。基本的には静かな住宅環境。
✅ 建てられる:戸建て・低層マンション・コンビニ・小規模飲食店
❌ 建てられない:大型スーパー・マンション(高層)・工場
第一種中高層住居専用地域
中高層マンションが建てられるエリア。住宅環境は保護されるが、周辺に大きな建物が建つ可能性がある。
✅ 建てられる:中高層マンション・戸建て・病院・大学
❌ 建てられない:大型店舗・ホテル・パチンコ店
第二種中高層住居専用地域
第一種中高層より緩く、1,500㎡以下の店舗も建てられる。住宅と店舗が混在するエリア。
✅ 建てられる:中高層マンション・スーパー・飲食店(1,500㎡以下)
❌ 建てられない:大型商業施設・ホテル・パチンコ
第一種住居地域
住宅を主体にしながら3,000㎡以下の店舗やホテルも建てられる。多くの住宅街が該当する標準的なエリア。
✅ 建てられる:マンション・ホテル・ボウリング場(3,000㎡以下)
❌ 建てられない:大型カラオケ・パチンコ・大型劇場
第二種住居地域
住宅中心だが規制がさらに緩い。カラオケ・パチンコなどの娯楽施設も建てられる。
✅ 建てられる:大型マンション・カラオケ・パチンコ(3,000㎡以下)
❌ 建てられない:工場・危険物取扱施設
準住居地域
幹線道路沿いに多い。自動車関連施設(カーディーラー・ガソリンスタンド)が建てられる住商混在エリア。
✅ 建てられる:自動車ディーラー・映画館・ガソリンスタンド
❌ 建てられない:大型工場・危険物取扱施設
田園住居地域
2018年新設。農地と住宅が混在するエリアを守るための地域。東京23区には少ない。
✅ 建てられる:住宅・農産物直売所・農業用施設
❌ 建てられない:一般的な商業施設・工場
商業系(2種類)——商業活動を中心とするエリア
近隣商業地域
住宅街の近くにある商業エリア。スーパー・飲食店・銀行などが集まるエリア。建ぺい率が高く、日当たりへの影響も大きい。
✅ 建てられる:大型スーパー・飲食店・パチンコ・ホテル
❌ 建てられない:大型工場・危険物貯蔵施設
商業地域
繁華街・駅前商業地に多い。ほぼ何でも建てられる最も規制が緩いエリア。容積率が非常に高く高層ビルが建つ。
✅ 建てられる:ほぼ全ての商業・業務施設
❌ 建てられない:危険物の多い工場・風俗営業(一部)
工業系(3種類)——工場・物流が中心のエリア
準工業・工業・工業専用地域
工場・物流施設を中心とするエリア。準工業地域は住宅も建てられるが、工業・工業専用地域は住宅が建てられない(工業専用)か制限される場合がある。足立区・江戸川区の川沿いエリアに一部存在する。
✅ 準工業:住宅・工場・危険物取扱施設
❌ 工業専用:住宅・学校・病院・ホテルは建てられない
03建ぺい率・容積率——何が建てられるかを決める数字
用途地域とセットで重要なのが「建ぺい率」と「容積率」です。この2つの数字が「敷地にどれくらいの大きさの建物を建てられるか」を決めます。
建ぺい率——土地面積に対する建築面積の割合
建ぺい率とは「敷地面積に対して建物の1階部分(建築面積)がどれだけ占められるか」の割合です。建ぺい率60%なら、100㎡の土地に建物の床面積が60㎡まで建てられます。残りの40㎡は庭や空き地にする必要があります。
💡 建ぺい率の例
土地100㎡・建ぺい率60%の場合 → 1階の床面積は最大60㎡まで。残り40㎡は空地・庭にする必要がある。建ぺい率が高いほど土地を効率よく使えるが、隣接地に建物が迫る可能性がある。
容積率——土地面積に対する延べ床面積の割合
容積率とは「敷地面積に対して建物全体の床面積合計(延べ床面積)がどれだけ占められるか」の割合です。容積率200%なら、100㎡の土地に延べ床面積200㎡まで建てられます(例:各階50㎡の4階建て)。
| 用途地域 | 建ぺい率の目安 | 容積率の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 第一種低層住専 | 30〜60% | 50〜200% | 最も静かな住宅環境 |
| 第一種中高層住専 | 60% | 200〜300% | 中高層マンション可 |
| 第一種住居地域 | 60% | 200〜400% | 標準的な住宅街 |
| 近隣商業地域 | 80% | 200〜500% | 商業施設・高層建物可 |
| 商業地域 | 80% | 400〜1000%以上 | 超高層ビル可 |
※実際の建ぺい率・容積率は各自治体の都市計画で異なります。購入前に必ず確認してください。
⚠️ 「隣に高い建物が建つかも」は購入前に確認を
現在の隣地が更地・古い建物でも、用途地域・容積率によっては将来高層のマンションや商業施設が建つ可能性があります。「今は日当たりがいい」という理由だけで判断せず、隣地の用途地域と容積率を必ず確認しましょう。
04葛飾区・江戸川区・足立区・墨田区の主な用途地域
葛飾区・江戸川区・足立区・墨田区は住居系・商業系・準工業系が混在するエリアです。地図で確認すると、駅近は商業地域・住宅街は住居専用地域・川沿い・工場跡地は準工業地域という傾向があります。
各区の傾向
- 葛飾区:住宅街(金町・亀有・新小岩周辺)は第一種・第二種住居地域が中心。駅前は近隣商業地域。工場跡地が準工業地域になっているエリアもある
- 江戸川区:区全体の大半が住居系地域。小岩・葛西の駅前は近隣商業〜商業地域。東部の江戸川沿いは準工業・工業地域も存在する
- 足立区:北千住駅前は商業地域で高容積率。住宅街は第一種〜第二種住居地域が中心。荒川・隅田川沿いの工場地帯は準工業地域が多い
- 墨田区:錦糸町・押上駅前は商業地域で高層ビル・マンション開発が進む。向島・八広などの下町住宅街は第一種住居地域が中心。隅田川沿いは準工業地域もある
✅ 用途地域の確認方法
- 各区のWebサイト(都市計画情報マップ)でオンライン確認できる
- 各区の都市計画課の窓口で直接確認・相談できる
- 不動産会社に「この物件の用途地域と建ぺい率・容積率を教えてください」と依頼する
- 重要事項説明書に必ず記載されているため購入前の説明をしっかり聞く
05再建築不可とは——接道義務と43条ただし書き
用途地域とは別に、「この土地には新しい建物が建てられない(再建築不可)」という問題があります。特に葛飾区・墨田区などの古い下町エリアで多いケースです。
接道義務とは
建築基準法では「建物を建てるためには、幅4m以上の道路に2m以上接している必要がある」という「接道義務」があります。これを満たさない土地は「再建築不可」となり、現在の建物が壊れた後に新しい建物を建てることができません。
🚨 再建築不可物件の主な問題点
- 現在の建物が老朽化しても建て替えができない
- 住宅ローンの担保評価が低く、買主がローンを組みにくい
- 一般市場での売却が難しく、売却価格が大幅に下がる
- 将来の資産価値上昇が期待しにくい
43条ただし書きとは
建築基準法43条には「ただし書き」があり、接道義務を満たさない土地でも一定の条件を満たせば建築の許可が下りる場合があります(43条ただし書き許可)。具体的には「周辺に十分な空き地がある」「延焼の危険がない」などの条件を満たした場合に、特定行政庁(区)の許可を得て建築できるケースです。
セットバックとは
道路の幅が4m未満の「2項道路」(建築基準法42条2項道路)に接している場合、建物を建てる際に道路の中心線から2mまで建物を後退させる(セットバック)義務があります。セットバックした部分は自分の土地でも道路として扱われ、建築面積に含められません。
💡 再建築不可でも売却・活用の方法はある
- 隣地所有者への売却:隣地と合算することで接道要件を満たす場合がある
- 専門買取業者への売却:訳あり物件専門業者が買取する
- 43条ただし書き許可を取得:区の許可を得て建築可能にする
- 現状のまま賃貸活用:既存建物を修繕して賃貸に出す
06用途地域が購入・売却に与える影響
用途地域・建築制限の知識は購入時の判断と売却時の価格設定の両方に影響します。
購入時の影響
- 隣地に何が建つか:隣地・周辺土地の用途地域・容積率を確認することで「将来何が建つか」を事前に把握できる
- 日当たりの将来性:南側隣地が商業地域・高容積率なら将来高層建物が建つ可能性がある
- 静かな環境が続くか:第一種低層住専なら環境が守られるが、近隣商業地域では周辺に商業施設が増える可能性がある
- 土地活用の自由度:用途地域によって将来の増改築・店舗開業の可否が変わる
売却時の影響
- 地価・売却価格への影響:商業地域・容積率が高いほど土地の「潜在的価値(建物を大きく建てられる)」が高く、高値になりやすい
- 再建築不可は大幅に価格が下がる:接道不足の再建築不可物件は相場の50〜70%程度になることが多い
- 用途地域の変更で価値が変わる:都市計画の変更で用途地域が変わると地価が大きく動く場合がある
📌 「用途地域を理解した査定」が正確な価格を出す
不動産の査定では用途地域・建ぺい率・容積率・接道条件を正確に把握した上で価格を算出することが重要です。「土地の現状」だけでなく「何が建てられるか(ポテンシャル)」を評価できる会社を選ぶことが、正確な売却価格につながります。
07よくある疑問Q&A
用途地域・建築制限についてよく聞かれる疑問をまとめました。
用途地域は変わることがありますか?
変わることがあります。都市計画の見直しで用途地域が変更されると、その土地で建てられる建物の種類・規模が変わります。特に再開発が進むエリアでは用途地域の変更に伴い地価が大きく動くことがあります。購入前に「近い将来の都市計画見直しの予定があるか」を確認することも重要です。
住宅ローンは用途地域によって変わりますか?
直接は変わりませんが、工業専用地域は住宅を建てられないため住宅ローンの対象外になります。また再建築不可物件は金融機関が担保評価を低く見るためローンがつきにくくなります。工業地域の土地や再建築不可物件は一般的な住宅ローンが使えない場合があるため、購入前に確認が必要です。
用途地域が違う隣地に高い建物が建てられますか?
隣地の用途地域によります。例えば自分の土地が「第一種低層住居専用地域」でも、隣地が「商業地域」なら隣地には高層ビルが建つ可能性があります。南側の隣地の用途地域・容積率は特に重要なので、購入前に必ず確認しましょう。
再建築不可の物件は絶対に売れませんか?
絶対ではありません。再建築不可物件でも売却できる方法があります。隣地所有者への売却(隣地と合算で再建築可能になる場合)・訳あり物件専門の買取業者への売却・43条ただし書き許可の取得などの選択肢があります。価格は下がりますが、諦めずに専門家に相談することをおすすめします。
建ぺい率・容積率をオーバーして建てた違法建築はどうなりますか?
建ぺい率・容積率を超えた「違法建築」(既存不適格含む)は住宅ローンがつきにくく、売却時に価格が下がります。また将来の増改築や建て替えの際に問題になることがあります。購入前に「建ぺい率・容積率が適法かどうか」を確認することが重要です。
08まとめ
用途地域・建築制限で押さえる3つのポイント
- 不動産購入前に「用途地域・建ぺい率・容積率」と「隣地の用途地域」を必ず確認する——現在の環境が将来も続くかを判断する重要な情報
- 「再建築不可」物件は売却・ローンに影響する——接道条件は購入前・売却前に必ず確認し、問題があれば専門家に相談する
- 用途地域の知識が正確な査定・売却価格につながる——「何が建てられるか(ポテンシャル)」を評価できる会社を選ぶ
「この土地の用途地域を確認したい」「再建築不可と言われたが売却できるか相談したい」「用途地域が売却価格にどう影響するか知りたい」——用途地域・建築制限に関する疑問から売却査定まで、まとめてお受けします。社長が直接・秘密厳守でお答えします。
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